フォーラム記録

「地方分権への扉を開く」
地方分権と首都機能移転のあり方

 


2002年02月3日(日) 14:30〜17:00
(懇親会 17:30〜)

愛知県産業貿易館 西館


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CONTENTS : プログラム】 【講演録

TMCフォーラム
「地方分権への扉を開く」
〜地方分権と首都機能移転のあり方〜

21世紀に入り、閉塞感が一層強まっている今日、痛みを伴う改革のみならず、ポジティブで創造的な改革がなければ、日本の閉塞感は打破できないのではないでしょうか。そのために「地方分権」の推進や「首都機能移転」の検討が重要な取り組みと考えており、今回この分野に造詣の深い八幡和郎氏と深川保典氏をお招きしたフォーラムを企画しました。

こういった取り組みがさらに市民の積極的な議論として活発化していくことが、変革への大きなエネルギーになると考えており、後半では、ここにご参加の皆さまのアンケート結果も踏まえた形でのパネルディスカッションの場を設けました。

皆さまの積極的なご参加よろしくお願いいたします。

プログラム
 
講師紹介・首都機能移転の概要説明(TMCより)
八幡和郎氏 ご講演 
深川保典氏 ご講演

休憩10分

アンケート回収                         
パネルディスカッション                    
フォーラム終了                            
14:30
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15:50
16:50


都市プランナー 深川保典 氏
1954年宮崎県飫肥生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。ニューヨーク市立大学都市経営学修士。NY都市計画局勤務。白謳大学講師、千葉県市川市議会議員を経て現在、英国ウェールズ大学経営大学院東京校教授、中央大学研究開発機構客員研究員。
【著書・論文】 「文明の法則」(祥伝社) 「東京改都」(中央公論新社) ほか多数。

 

講演要約

(1) 八幡和郎氏 評論家

 1951年滋賀県大津市生まれ。東京大学法学部卒業。フランス国立行政学院留学。
 国土庁長官官房参事官、通商産業省大臣官房情報管理課長を経て、現在評論家。
 【著書・論文】「さらば霞ヶ関」(PHP研究所)、「東京の寿命」(角川書店)ほか多数

遷都の理由

  • 首都移転はやるべき。司馬遼太郎氏は、日本が行き詰ったとき、その打開策として都を変えるという歴史があると述べている。
  • 平城京は平安京より立派なのになぜ移転したのか。司馬氏によれば、平城京は立派過ぎた、中国の長安並みのものを造営したものの、日本の国の大きさ(中国の1/10の人口)に分不相応で、大仏など維持コストがかかりすぎた。そこで、本来の国の経済力に見合った都として、平安京に遷都がなされた。寺社勢力の政治への干渉も遷都の理由のひとつであったが、根本はコストの問題であった。
    (東京のコスト高)
  • 日産自動車がだめになった一因は、本社を銀座に置いたことにある。トヨタと同じ給与であっても、生活のコストに大きな差があるため、社員の満足度が違った。銀座に通っていれば、自ずといい生活をしたくなるもの。航空会社が赤字なのも、社員が東京に住んで贅沢な生活をしているから。エールフランスの人件費は日航の1/3で、社員が東京に住むことを認めていない。資産家や代議士の娘とか、裕福な人たちとの付き合いもあれば、生活も派手になる。一方、田舎で暮らせば、そういうお金は使わない。
  • 結局、役人の生活が派手であるということは、東京の生活が高コストであること、これに合わせていけばいろんなひずみが生じる。本来なら贅沢な暮らしをするはずのない人がそうなっているということ。
  • 小泉首相は東京とロンドンしか知らない?出身校である当時の慶応は、お金持ちの大学で、地方を知らないのでは。役人が永住するような都市はダメ。 (21世紀、没落する日本)
  • これから50年〜100年は、日本はどんどん悪くなる。アルゼンチンは、かつては世界の5指にはいるほど非常に豊かな国であったが、今では経済的にも大変な状況になっている。英国も最近まで長期低落傾向にあって「英国病」といわれ苦しんだ。
  • 国は一回ダメになると、なかなか回復しない。生活習慣病みたいなもの。今、日本は糖尿病になりかけている。このままずるずるといくと、本当にどうしようもなくなり、ほんとに糖尿病で動けなくなる。東京があるために日本は悪くなっているのであり、今手術をすればまだ間に合う。
  • 1995年は1945年の終戦以降の経済発展から50年目で、ひとつのピークであった。この後の50年は悪くなる一方ではないか。2045年には、ヴィトンのバッグも海外旅行も昔話、夢物語になっているかもしれない。
  • 今の高コストのままでは国際競争力はつかない。人口問題、教育問題。環境。国土構造をローコストで豊かな生活が出来るようにしていかないと問題は解決しない。

地方分権、国を変える

  • 東京に集中するのは、意思決定が全て東京でなされているから。東京に行かないと決まらないということ。ヨーロッパの場合。機能は分散されている。
  • 分都という形でもよいが、ブリュッセルやストラスブールのように、自己主張しない程度の小さな都市であるべき。パリやロンドンは別の役割を持っている。
  • 地方分権といっても、国全体をそっくり地方分権国家に変えてしまうことが重要。お金と権限を地方に渡しただけでは何も変わらない。道州制もやってもよいが、東京から地方に公務員を移す必要がある。
  • 首都機能移転、未来に備える6つのポイント
    @地方分権と行政改革を一体で進めて、根っこから国を変える
    A財政問題
    Bリニア新幹線とのリンク
    C東京の将来像
    D「首都」という名称についての調整
    E候補地間の連携と分担

(2) 深川保典氏 都市プランナー

1954年宮崎県飫肥生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。ニューヨーク市立大学都市
経営学修士。NY市都市計画局勤務、白謳大学講師、千葉県市川市議会議員を経て現在
英国ウェールズ大学経営大学院東京校教授、中央大学研究開発機構客員研究員。
【著書・論文】「文明の法則」(祥伝社)、「東京改都」(中央公論新社)ほか多数


首都機能移転の議論

  • 東京、北関東、東海、近畿それぞれに言い分はある。
  • 今の低調な議論は国会の不作為ではないか。以前、衆議院の国会等移転特別委員会の永井委員長から「実は反対」との声も聞いた。どこまで国会議員は本気なのかと思う。

集中と分散の歴史

  • 歴史を俯瞰し、数百年おきに交互に繰り返す集中と分散の運動法則を発見した。鎌倉時代以降分散のベクトルが働いていたが、信長が出てきて以降、集中のベクトルに転じた。
    その意味で日本の近代は明治ではなく、既に信長・秀吉・家康の時代に始まっていた。
  • それ以降ずっと集中の時代が続いてきたが、近年、バブルの崩壊を境に分散の時代が訪れた。それゆえに、景気の回復はない。ケインズ以降の近代経済学の方程式は通用せず、景気回復という概念自体が陳腐化している。しかし一方、まだまだ日本には地力がある。失業率が5〜6%といっても、世界的に見ればまだまだ体力がある。日南市(宮崎県、深川氏の故郷)では、東京の半分ぐらいの生活コスト。
  • 分散化という大きな歴史の流れには逆らえず、精神的・実質的な豊かさを求めていくなど、生き方や考え方を変える必要がある。
  • 東京一極集中を止めて、地方分権をどのように実現していくのかということであるが、大きな歴史の流れとして、この時期、思い切って分散化を進めていくべき。コスト的にもメリットがある。

分都のすすめ

  • 石原都知事は首都機能移転に対して断固NO!と拒絶している。他方で、地方からの待望論として、一刻も早く結論を出すべきという。このままあいまいに紛糾したままいくのはよくない。
  • そこで、一極集中でもない、一括して一箇所へというのでもない、第3の道としての分都論を提案したい。すなわち東京の改都である。
  • 首都東京はいじればいじる程に高コスト構造であり、他方、一括移転も数十兆円がかかり、今の財政状況ではそんな出費は無理。東京の国際競争力を落とさず、東京にも納得してもらうには、分都しかない。

具体的イメージの例

  • 道州制:地方(都道府県)を再編し、分権化する。
  • 世界都市・東京の国際競争力を下げずに済ませる:東京を首都特別区とする。
  • 最も改革を必要とする経済官庁と中央銀行を大阪へ。仙台へ最高裁を移す、ドイツのカールスルーエのイメージ。
  • 愛知の環境万博を踏まえて、名古屋に環境省を設置。環境行政の位置づけは今後非常に重要。他の事業官庁に対する監視という意味で、非常に独立性も高いものと位置づけられる。
  • 日本を活性化させるために、思い切った分都化の流れをつくるべき。そのために、17都道府州制もあわせて提案したい。
パネルディスカッション

パネラー 
八幡和郎氏(評論家) / 深川保典氏(都市プランナー) / 伴野 豊氏(衆議院議員)
司  会   宮嵜英樹(TMC)

宮嵜: パネルディスカッションを始めさせていただきます。TMCでは全部で10ぐらいグループがあり、個別で月例会という活動をしています。その中で主に世の中の時事問題に興味のある人が集まっているBグループというものがあり、今回そのBグループが中心になってこの企画を立てさせていただきました。よろしくお願いします。
 まず、改めて講師の先生方のご紹介をします。只今ご講演いただきました八幡和郎先生、同じくご講演いただきました深川保典先生、それからTMCにとっては大変なじみの深い伴野豊先生です。
伴野先生が私どもTMCにとってゆかりが深いと今申し上げたのは、先生は実はTMCのOBであり、JR東海に勤務されていたときに4年ぐらい活動され、その後国会議員に立候補され、現在衆議院議員をされていらっしゃるということで、私どもも時事問題について時々勉強をさせていただいております。衆議院では国土交通委員をされているほか、今回のテーマにふさわしいという気がしますが、衆議院国会等の移転に関する特別委員会の委員をされていまして、首都機能移転について中枢で取り組んでいらっしゃいます。まずパネルディスカッションの最初にあたり、伴野先生から最近の国レベルの状況や先生の首都移転に対する思いなどをお話しいただければと思います。よろしくお願いします。

伴野:本日は八幡先生、深川先生のお話を1時間ぐらい聞かせていただき、こういう貴重な時間をいただきましたことにお礼を申し上げたいと思います。お話の中で、代議士という立場柄、誤解を解いておかなければいけないところがございまして、そのお話から入らせていただければと思います。
 まず、1点目は八幡先生から「代議士の娘はブルジョア」というお話がありまして、私も5歳の娘を持っております。非常に収益の悪い職業でございまして、私の可処分所得はJR東海時代を随分下回っております。後輩はどんどん家を造っていくのですが、私はいつ頃になるか分からないというようなことで、娘は上から下までユニクロであるということを、まずご承知おきいただければと思います。それから深川先生から国会不作為のお話がございました。これは国会不作為というよりは、作為的に遅らせているというのが正確ではないかと思っております。生意気にもお話しさせていただきましたが、本論に入らせていただきます。進行の都合で地方分権と首都機能移転の両方の話をということでしたので、連続性を持たせてお話させていただければと思います。
 八幡先生の著書の中にも地方主権というお話があったのですが、私もその通りだと思います。我々はやはり「地域主権」という言葉を使うべきではないかと思っておりまして、地域主権を実現していく中での重要な点は2つあるかと思います。
 1つは「市町村合併の推進」です。市町村数は今3000ぐらいだと思いますが、1000人に満たない町村からご覧のように大都市まであるわけでして、それをせいぜい30万人前後から100万人の規模ぐらいで市町村合併を推進させるべきではないかと。その中で、自分たちのことは自分たちでやっていくんだという、受け皿というものをしっかり作ることが必要ではないかと思います。
 2つ目は税の意識改革だと思います。「自立・責任・共生」を3つのキーワードとして、「自分たちの地域は自分たちの手で作っていく。そのためにどれだけの税金を皆で分担し合わなければいけないか」「俺たちの生活レベルはこういうものなんだ。俺たちの住まいはこういうものだ。他がごちゃごちゃ言うな」というような観点が必要だと思います。私は、国土交通委員の初代主査もさせていただいているのですが、2月の半ば以降に「都市計画法改正法案」と「都市再生独立法案」といういわゆる小泉さんの1つの旗印の「都市の再生」というジャンルの法案が2つ出てきます。これは今ながらに経済効率至上主義なんですね。例えば消防自動車が通りやすい道を作って、区画整理していけば、経済的には非常に効率のいい街にはなるんでしょう。先般、アズマヤドリの巣作りのことをNHKでやっていたんですが、法案の中には、そこに出てきたような動物的な人間的な習性というものはどこにも全く加味されない。しかもお上主導でやっていくということですね。ですから出来上がった街はホラー映画の舞台にはなっても、恋愛小説や朝の連ドラの舞台にはなり得ない街ができる可能性がある。ぜひ自分たちの考え、あるいは地域の気持ちが入るような、そういうまちづくりができる法案作りに努めていかなければならないと思っている次第です。
 もう1点の首都機能移転のお話ですが、先ほども国会不作為というお話がありましたが、まさに私もこれで1年半になりますが、当選させていただいてからすぐ7月にこの委員会に入りましたが、正直言ってそのときの感想は「まだそんな議論をやっているのか?」。一方で国民的議論も非常に低調だということは存じておりましたが、国会議員が話し合っていることもこのレベルかという感じでした。私自身は具体的なタイムスケジュールをきっちり決めて、やる時期にきているのではないかという個人的な考えを持っている。しかし今のままの首都機能移転では金もかかりますし何の解決にもならない。八幡先生のお話の中にもあったと思いますが、今言われている構造改革、行政改革、さまざまな改革の仕上げとして、シンボリックなものとしてやるのなら意味がある。地域主権の実現、意思決定システムの実現、危機管理、これらのことをきちんと確立した上で、小さな政府を動かすというのなら、私はタイムスケジュールをきっちり決めて、きっちりやるべきだと思います。ただそうではなくプロジェクト優先、公共事業優先でやるならば、今の時期に不釣り合いなものになってしまって、多分その中には先ほど申し上げた人間的、動物的な習性というものはまったく入っていない閑散とした首都が出来上がってしまうのではないかと思っております。
 最後に今5月をめどに一応移転先候補地を決めると言っていますが、私は決まるのかなぁと、正直言って思っております。今日の朝日新聞にも出てますが、もっと生臭い話が出てくると思います。もしその稟議で多数決を取るということになったら、多分また実力者が横から口を出してきて、自分の都合のいい議員につけ替えてまで候補地を決めるということまでやってくるのではないかというきらいもあります。だからそういうことにしないためにもやはり国民的議論を盛り上げていただいて、自分たちの国の下地、地域のあり方はどうあるべきかについて、是非こういう機会を突破口にして、みなさん方で議論をやっていただいてどしどしご意見を言っていただければと思う次第です。
宮嵜:どうもありがとうございました。ただ今、地域主権というお話と、首都機能移転、やはり公共事業優先というか、今のままの形でいいのかという問題提起をいただいたと思うのですが、そのことに関連して八幡先生いかがですか。

八幡:まず、首都機能移転が出たときの状況等々を含めて、変わってないのは、あくまでも目指すのは地方主権国家を作るためには分都であるとか、道州制であるとか地方分権だけではだめだという点です。逆にいうと分都にせよ、地方分権にせよ、道州制にせよ、首都機能移転をやらなくては無理であろうと。というのは間違いなく世界中どこでも最大都市が首都のところで、地方分権とか分都とかでうまくいったところは1カ所もありません。世界中がうまくいってないのに日本だけうまくいくはずがない。当時堺屋太一さんは、まさに分都をやろうと思い大阪を何とかしたいということでずっと戦っていたのだけど、結局東京首都のままで分都も地方分権も何やったってダメだと。あるいは、規制緩和をやったらうまくいくかと思って、規制緩和をしたらどうなりました?大阪だって名古屋だって、規制緩和をしたら東海銀行が無くなるということなのです。最初から我々は、東京首都のままで何やったってダメなんだと言っている。ですから公共事業の話はおまけなんです。おまけなんだけれども、時代背景がありました。というのは、内需拡大が大きなポイントだったから、できるだけ大きい公共事業をやりたいという人が多かったのは事実です。それからもう1つは、首都移転の話の中で俺たちも新首都へ連れて行ってくれなければイヤだというのが結構いたというのが現実問題としてあった。例えば「最高裁判所は別のところでいいじゃないか」と言ったら「いや、最高裁だけ別の場所では寂しい」とか。僕らが言っていたのは例えば国際会議をやる必要はない。ワシントンだって国際会議なんて滅多にやらないじゃないかと。それから大学もいらない。大学や学校について言うと必要なのは、大学ではなしに基本的には私立の進学校であると。これがないと結局みんな来なくて単身赴任になるから、名古屋みたいなところだったら別に心配ないんですが、山の中へ行ったら誰も来てくれないこともあるから、そういうのはいいだろうと。現実に筑波の学園都市がうまくいかないのはそういうことなんです。それから大学も、別に男女差別で言うのではないのだけど、当時の議論としてはやはり女子大ぐらいは欲しい、なぜかというとアルバイトをやる女の子の供給源がないじゃないか。筑波の失敗の原因というのは男と女の差がものすごく大きかったことです。筑波は男だらけですから。それぐらいは必要だけれどもあまりいろんなものは含めたくないのだけども、大学も欲しい、アレも欲しいという人が多かったんです。例えば岐阜の山の中にワシントン――ワシントンは1万kuに100万ぐらいの街です――をイメージとした街を作ろうと。これは私なんかはもともと反対で、ボンでいいと言ったんです。要するにオペラハウスは名古屋に来てもらえばいい、国際会議は京都でやればいいと。それから大学も、学園都市だってあるじゃないかというふうなイメージで作り上げていこうという案を言っていたんですが、これは全体の国会等移転調査会の報告にはそういう意識はなくワシントン型なんです。ですからそれを今からもう一回、時代が変わってるんだから、ボンみたいなワンセットでない、都市機能として独立していない街でいいのではないか。場所も1万ku取れるという所でなくてもいいのではないか、那須なんてああいう土地が広い所ではダメだ。ある程度、大都市にそこそこ近い所でやるのがいいのではないかというアイデアを我々は昔から言っていたし、できればそちらの方向へ修正をしていただく。その中で深川先生もおっしゃったような、要するに不完全なところで、最高裁もいらない、国際会議も小さいのでいいということだから、となると深川先生のおっしゃっていたような分都をやっても生きてくるし、そして道州制などもやっていける、という方向へ1度どこかで変えて欲しいと思っています。

宮嵜:ありがとうございました。今お話の中で、まさに深川先生の言われる分都のお話も出ましたので、続いて深川先生からお話をいただきたいと思います。

深川:分都というと集中というよりは分散の考え方ですね。分散がなぜ合理的なのかというのは、皆さま方、産業界にいらっしゃってよくお分かりだと思いますが、現在、集中的にベルトコンベアで物を分業体制で作っていくよりは、「ジョブ・エンリッチメント」というやり方の方が効率的で、一番先にそれをやったのはボルボだと思いますが、そういう形で、仕事のやり方がショート式の独立型、協業性とも言われる体制に産業界自体がなってきているのです。ですから自治体の組織とか、もちろん国の組織も、分散型にして独立性を高めていって、協業をしていく。そのような体制というのは、私は時代の流れだし、当然の帰結だと思います。
 それで首都機能の問題は、最高裁をどこへ持っていくかとか、私も先ほど申し上げましたように日本銀行の問題は当然ありますけども、日本人全体から見ていきますと、自分の住んでいるところが中心だという思いは誰しもどこへ行ってもあるわけです。先ほど八幡先生も言われたように首都という言葉、これも歴史的なものです。京都府、大阪府のような「府」というのはまさに都という意味で、そのまま京都も大阪ももちろん今までに首都機能を果たした時代があったわけですし、そういったものを今後も、住民といいますか日本人全体の認識としても持ってもらう。そういう府というものは、私はどこまでも残していきたくて、その一環として日銀の本店は大阪がふさわしいと思います。これは看板を替えるだけでいいのです。日銀の現在の東京本店が潰れたとき、すべて大阪へ移せるシステムに日銀自体がなっているんです。そこまで言うのは言い過ぎかもしれませんが、いずれにしても、コストをかけないやり方というのは探せばあると思います。
 それから先ほど、都市の再生の話がありましたけども、都市の再生というのは非常に重要なことでして、私も都市プランナーとしていろんな所で講演もやっていますが、都市のコンセプトというものがありまして、文脈や歴史性を無視して都市を作っても失敗するんですね。ですから、どこか新たな所に何か思いつきのようにして、物理空間として経済空間としての都市を人工的に作ってもダメだと思います。先ほどいくつか例を挙げましたけれど、これまである日本の歴史、都市の歴史を最大限生かして、それを21世紀につなげていくという再生のあり方、これはすべてそういうコンセプトの中で私が提案した例でもあります。愛知万博というのはまだ関心が随分薄いですけれど、それなりに環境を把握した意味があるし、何とか成功をして欲しいなと思います。そういう意味で、この地域に環境省を移しても、私は文脈としておかしくないと思います。都市を再生する上で、失敗空間として人が集まるようになり市が出来たという都市の歴史というものもあります。やはりそういうものを最大限生かした都市づくりがこれからは要請されます。また、ヨーロッパの中心都市――これは八幡先生が詳しい――中世から続くヨーロッパの都市はまだ活性化していますけれども、それはどこでも中心部は車を閉めだし、中心部は歩いて市街電車みたいなもので楽しめる。あくまでも歩行者空間をどこまで充実していけるか、といったこところが都市の再生につながっていると思います。これは首都機能移転の問題には直接は影響しないかも知れませんけど、掘り起こす、レノベートするという考えの中で、都市を作っていって、潤いのある生活がそこでできるという方向は、首都機能移転の問題を考える上でもベースになっていかなければいけないと考えています。

宮嵜:ありがとうございました。分都ということに対しましてお三方の議論が大分集約しつつあります。先ほどお二人の先生の講演終了後にいただいたアンケートで、なかなかいいご質問やご意見をいただいておりますので、それについてコメントをいただけると有難いと存じます。一応深川先生となっておりますが、八幡先生でも伴野先生でも結構です。
 1つは、「分都を行い、各省庁・機関を分散配置したとき、各省庁・機関の調整・連携に手間取り、非効率になってしまうことはないか?」と。先ほどのお話で、日銀などは独立性が高いからというようなことで、あるいは最高裁もそういう部分がありますね。そういう点で能率的な面もあるんですが、外交とか防衛などもっと中央政府と直結している省庁などは、やはり一緒にくっついていなければダメだというお考えですね。その辺のことを含めてお話いただければと思います。

深川:まさにその通りです。首都機能移転に反対する人は、やはり「今の東京の霞ヶ関の集約化した状態が機能的である。国会も側にあるし」ということを繰り返し言われます。先ほどいくつか提案をさせていただきましたけれども、文部省とか経済産業省といった事業官庁は、基本的に都道府州政府に権限を委譲する以外にないと思います。高速道路をどうやって作ろうかという議論が今、紛糾していて解決策が出てきておりませんが、アメリカあたりでも州で作っていますよね。連邦政府が補助金の一部を出すということはありますが、やはり都道府州の権限で道路を作るのがいいと思います。それが一番どこに必要であるかというのが充分に分かるし、これ以上コストをかけたら無駄だということも地元の人が一番よく分かっていると思うのです。ですから事業官庁は基本的に都道府州政府に移行させる。そしてどうしても全体の連携などが劣るようであれば、中央政府に一部は残す必要があるのですが、ほとんどの場合は、規制緩和して地域の都道府州に任せる。東京の中央政府というのは基本的には外交とか防衛とか都道府州の関係をうまくやっていくとか、国連との関係といったことに集約させていく。こういうことであれば、全体のバランスが取れて、先ほどの話での最高裁も日銀も、移しても全く問題ないと思います。

八幡:今の国会等移転の議論では、各省庁を分散しないことになっている。一言で言うと大臣をあちこちにバラバラにおくことができるのかということ。しかし、実はドイツでは例えば環境省とか、国防省とかの大臣はベルリンにいる。そうすると環境大臣は東京にいるけども、局長以下はこっちにいるという形になるわけですけども、なかなか仕事がどっちに行くかということもあって、我々もいろいろ議論したのだけど極論としては、やはり1カ所に寄せた方がいいのではないか。ただし、これはもう文部科学大臣は大臣1人でいたとしても文化庁とか社会保険庁とか分岐できるものもあるという感じがあったのです。だから世界中見ても、役所を大臣以下丸々どこかよそへ移るというのはなかなか難しい。
 それから日銀を大阪へ移すということは、それならば各銀行本店をみんな大阪へ移す、さらには東京証券取引所を廃止して、大阪へ来てもらうという議論になって、話がよく分からなくなってしまう。アメリカの場合でいうと連邦準備制度理事会は、ワシントンにあるんです。しかしあれだけを仮に大阪へ置いたところで人口集中力も何もないんですよ。そうするとニューヨーク連銀も大阪へやって、というか東京証券取引所閉鎖ですよね。ここまでやらない限り意味はない。しかし政府は移らないけども、そういう金融関係がみんな大阪へ移るということがこの時代に可能か。結局すべて一度、東京を移っちゃったらどうなんだということだと思うんです。それから道州制をやった場合に例えば分かりやすいのは文部科学省なのですが、文部科学省を廃止して各道州に任せる。ただし不都合が生じないように連絡協議会を首都に置いてやるという手はありまし、公共事業もおそらく可能です。ただ例えば国際交渉に関わりのあるものはなかなかできない。実際には、国際交渉は経済問題なんです。だから国防以上に現実には大蔵省や通産省あるいは農水省もやっている経済問題が僕は一番総理がやるべきという気がするんです。

宮嵜:ありがとうございました。議論は大分具体的になってまいりました。伴野先生、日頃官僚の方と関わっていらっしゃるので、その辺を含めて、分都のあり方などについていかがですか?
伴野:分都の考え方で、先ほど一堂に会する必要があるかどうかということですけれど、私自身はJR東海にいたときに、「会うのが一番」というキャッチフレーズを気に入っていた覚えがありますので、確かに危機管理のときとか、一堂に顔を合わせて決めなきゃいけないということもあるとは思うのです。ただいつも顔を合わせてなきゃいけないかというと、予算委員会を見ていただければ分かるように、質問していない代議士は寝ているんですね。だから意思決定システムや委員会のシステムを改善すれば、いつも一堂に会している必要は無くなる。また今たくさんいる代議士も本来国がやらなきゃいけないことだけに絞って省庁再編して数を減らしていけば、そんなに何十人もいつもスケジュールを合わせて会わなくてもいい。どちらかというと内閣の非常事態、危機管理のときに、総理大臣の下に5、6名の閣僚や大臣が集まるという意思決定システムになっていれば、それが分都をすることに差し支えになることはあまりないのではないかと思います。

宮嵜:ありがとうございました。ひとまず、分都の議論を置きまして、もう1ついい質問をいただきました。「首都機能移転について、もっと国民的議論を盛んにするための方策というのが必要ではないか」と。先ほど先生方も議論が低調になっているとお話しされていたと思うのですが、その方策について深川先生からお願いします。

深川:国民的議論は、この首都機能移転の問題に関しては極めて低調ですね。東京圏の人たちは、まさか国会がどこかに移転するなんてことは絶対に考えられない、想像すらできない、というようなところで生活しています。石原都知事があれだけ反対しているんだから絶対移すことはない、という感覚です。ですから当然それは一部の人しか議論していない、そういうレベルだと思います。ところが地方に行きますと、候補地になりそうな地域ではそれなりの盛り上がりがあります。ですからこれを国民的議論で国会できちんとやってもらう。先ほど伴野先生が「特別委員会がどこまで機能しているのか分からない」とおっしゃいましたが、1985年頃にNHKの番組で地価の問題について、日曜日3週連続で「地価を下げる方法はないのか」みたいな大議論をやって意見を出し合った。そういうテレビを使った大議論をどんどん盛り上げていくという方法もあるでしょう。悔しいですけども、日本人はやはり歴史的な長期に渡るスパンで物事を議論することが苦手というか、どうもそういうところを嫌う。「今」と「ここ」の議論しかしない。景気回復、失業率、もちろんそれで大変な思いをしている人がいるわけで、1日100人近くの中高年の経営者達が自殺しているという状況もありますし。もちろんそれはそれで重要なんですけど、今とここの議論だけではなくて、もっと長期的なスパンで議論していくことを地道にやっていただく必要がある。専門家の先生たちもそうですし、行政の方もそうですし、みなさん方のように市民レベルの議論もそうですし、何とかこういう問題に自分なりの意見を持っていただきたいと思います。

八幡:首都移転というものに対して、国民的雰囲気が盛り上がるなんてあり得ないですよ。世界中の首都移転を見ても、国民の圧倒的な雰囲気の盛り上がりの中でされたというのは過去にはないし、日本でも平城京をやめて、どこかへ移れと言われて移ったという話しか聞かないし、そういうもんじゃないと思います。やはり政治家が法的な国の方向付けの場で決めていくという話で、今回もそういう非常に壮大な考え方を持った人たちのイニシアティヴで、例えば堺屋さんなどから始まった話だからそれはしょうがない。しかしながら政治家が言えば何とかなるかというと、私はワンセットでいろんなものをくっつけなければダメだと思います。
 今、小泉さんを含めてみんな、大蔵省自体そうだから、国家プログラムとしてワンセットで議論しない傾向がある。例えばリニアの問題について言うと、「リニアと国会移転はワンセットで議論はしない」という意向を大蔵省が当時しつこく言っていました。それから地方分権についても、地方分権と総務省が必要かどうかという議論を一緒にするなというのは、当時の自治省が極めて強く申し入れて審議会も蹴って、これは無視された。省庁改革についても橋本さんが、最初ワンセットでやると言ったんです。そしたら「ワンセットでやるなんてふざけるな。」という声が上がった。それで結局今回の省庁再編はナンセンスなものになった。あれは首都機能移転と一緒にやったらものすごく効果が出たはずなのを、妙なことをやっちゃったので、逆に首都機能移転を全部ワンセットでやるんだというエネルギーが失われてしまった。ですから国家を変えるということは、何とか省とか何とか委員会付属委員とかの議論でなしに、政治家が壮大な志で提案するものです。石原さんだって、もともとリニアを作らないと犯罪的行為だと言ってたんだし、第一、世界中でニューヨークやミラノや上海、みんな首都でないのにちゃんとやっているのに、東京だけ役人がいないと未来はないと石原さんが言うのもおかしい。全部ワンセットの議論をやることによって、真の国家像を確認するのはいいことだと思います。

宮嵜:
今の点について、議論の現場にいらっしゃる伴野先生からもお願いします。

伴野:首都機能移転の問題で国民的議論の喚起という話なんですけども、国民的議論が巻き起こるのもいいとは思いますが、1憶2000万人がこのことを考えてもらうのがいいかというと、私はその方が気持ち悪いと思います。3時のワイドショー番組で、なにわのおばちゃんが「首都機能移転についてどうですか」ときかれて答える場面より、外務大臣が指輪をなくしたということをやってくれた方がよっぽど健康的だとは思います。ただ一方では考えなければならないことは、またここでアズマヤドリの話をさせていただいて申し訳ないのですが、1月28日のNHKの『地球・ふしぎ大自然』という番組を見入ってしまったんですが、アズマヤドリの方がよっぽど人間より次の世代のことを考えて一生懸命やってるんですよ。これを見たときに自分の生というものに対して、自分の人生を満喫してきちんとやると同時に、やはり人間は、もう1つの目的として次の世代のために何をやるかということを問われているのではないかと思いました。アズマヤドリは本当に一生懸命、自分の遺伝子を残すために、オスですが、メスを誘い込むために巣のようなものを一生懸命作るんです。仲間に壊されても、風雨になぎ飛ばされても、一生懸命。それを見ていたときにぜひ、まちづくりとか地域とか語るときに自然の営みとか習性とかいうことに今一度目を向けて、人間の本性に立ち返って、まちづくりとか都市計画とか国の形とか、首都機能のあり方とかを考えないと大失敗してしまうんじゃないかと思いました。そういうことを考えた上で、「俺は首都機能移転のことを一生懸命考える」という人がいてもいいと思いますし、教育でも経済でも、とにかくみんなが自分のことと同時に、次の世代のことを真剣に考えるようにもっとなればということがまず大事なのではと思います。

宮嵜:ありがとうございました。時間が迫ってきましたが、最後に特にこの点について質問したいということがあればぜひ手を挙げてしていただきたいのですが、いかがですか。

男性A:国会等移転について国土交通省の役人は、国会で決めたことをやるだけであるという。この論議をより良い方向に方向に導くためにはどうすればよいですか。

宮嵜:今までの議論から発展したような質問だと思いますので、これまでのまとめという形でお答えいただいても結構です。

深川:そういうセクト主義というものに役所はどうしても陥ると思います。外務省の問題が取りざたされていますが、やはり政治のリーダーシップだと思う。八幡先生が言われたように、最後は政治家が責任を持って最高の国の形に変えていく。伴野さんは民主党にいらっしゃるが、そういう党というものは、このように変えていくと政策提言をしていくべきで、例えば税金、地域主権はどうあるべきかというところで、究極の姿である政治のリーダーシップで変えていく。それに国民がどれだけ賛同するか反対するか、そこで決着してほしいと思います。5年か10年位で結論を出さなければ、日本は非常に暗い。そういう意味で、政治のリーダーシップに期待したい。

八幡:20年ぐらいずっと議論していたのだから、これまでの議論を全部ちゃらにしてというのはおかしい。ただその中での修正、先ほど言った人口60万都市を30万都市ということにして理論を組み直すというのは、法律の根本を変えるのではなく、小さい改正をしますということ。これは当然行わなければなりませんが、3つの候補地のうち1つに絞る中で残ったものをどうするかという問題が当然出てくると思います。ただ、役人は「こうするべきだ」となかなか言いにくいのは当然だと思います。
もう1つは地方主権の問題について言うと、先ほど少し申し上げましたが、ドイツでは連邦銀行の委員、日本でいえば日銀政策委員にあたるようなポストで、半分以上は各州の代表なのです。これは東京が首都である以上なかなかやりにくいのだけれども、小さい首都になった後のいろんな審議会とかは、厳密に人口比でやるべきです。例えば今の4つの審議会は大体8割が東京周辺に住んでいる人なのです。これではだめだ。それからもっと言うと、インドでは国家公務員は各州に配置されてしまう。だから「お前の終焉の地はここだ」と人口比で決められて、ニューデリーに最後に住む人はいない。こういうことも必要です。政治家で東京に家を持っている人は信用してはいけません。
それから、財政負担を少なくしようという発想は中央にはなかった。村田敬次郎さんと武村正義先生と当時議論して、彼らは、首都で土地や不動産を売り払って国が儲けるなんて汚らわしいと言うのです。やはり彼らは内務省の役人たちでもあって当時は国庫が豊かだったからそういう雰囲気もあったんですね。今となったら国が儲けるということを考えるべきです。例えば満州国の新京というのは、財政資金ゼロで作ったのです。要するに安い土地を買ってそこに街を作って、高く売ったから儲かったんですよ。ディベロッパーたちはみんなそうやっているのですから。首都移転は財政費はいらない。それどころか首都だった高い土地を売るんだから儲かるんです。そういう選択をするかどうかはありますが、できるということを言っておきます。
 最後に、新しい街を作るというのはいいですね。ただ、日本は新しい街を長らく作っていない。いつ作ったかというと、ほとんど安土桃山時代か江戸時代。名古屋、大阪、東京。主な城下町で、室町時代以前からあった街はほとんどない。ところが明治維新のときは金がなかったのと、もう1つは戊辰戦争があって、それで新しい街を作らなくて、47都道府県の県庁所在地に作り直した。新しく作ったのは宮崎と札幌だけ。ところが、みなさん考えてみても、北海道の街っていいでしょう。それから、満州だとか台湾、高雄とかいろいろありますけど、やはりいいんですよ。古い街は古い街並みで残しておくというのもそれはそれでいいんだけど、城下町の時代とは目的も全部違うんだから老朽化してきており、別に首都だけではなしに、かなりの普請・新設はやっていく必要がある。ただニュータウンってのも不完全な住宅です。新しいちゃんとした都市建設というのは、日本史では安土桃山時代から400年やってない、この辺を少し考え直したらいいのではと思います。

伴野:行政の姿勢のお話ですが、ごもっともだと思いますが、私自身、行政はそういうものではないかなと思います。というのはよく政策の連続性というものがあるのですが、そういう面は必要だと思いますし、いわゆる物理学でいう慣性の法則で「そちらの方へ力が行ったら、ある程度そちらの力が大きく働く」というのは行政の立場からはしょうがないことだと思います。一方で、先ほどの政治家は政策判断をするときには政治家らしくきちっとやらなければならないというご意見はもっともなことで、それができていないからこういう不幸な状況になっているわけです。ただその前提でなされなければならない点は、行政の方はきちっとした情報公開をし、マスコミはその情報公開に基づききちっとした情報を市民・県民・国民に伝える。その辺がぶれてしまうと非常にやっかいなお話になると思うのです。私自身国会の中を見ていまして、今回の小泉さんの支持率も実体から見て非常に異常な状態に見えていました。今回、真紀子さんの実体からしてあのマスコミの取り上げ方も異常に見えます。川口さんの今回のロシア大使の話などは、真紀子さんなら多分ネックレスを忘れて会えなかっただろうと思います。こういうことを考えればまともになったのです。そういうことは評価されず、違うところで、ワイドショー的になっているのはこの国の悲しさかなと思います。そういうことからすると国会議員は監視し続ければ、まともにやるしかないんですよ。彼らが一番ありがたいと思っているのは、自分が権力を握ったら永遠にその構造が変わらないことなんです。選挙区でいえば、その選挙区で通ったら、あとは自分の後援会の人だけが投票に行ってくれれば、自分の地位は永遠に守られる。だから彼らが慣性の法則に従うことは、ずっと生きながらえていくことなのです。しかしその慣性の法則に従っていると、日本丸というタイタニックは国民を乗せたまま氷山にぶつかるというのが今の現状です。この加速度を変えるのは、やはり市民・県民・国民の方なのです。鋭く監視していただいて、ムードとかではなく、いいものはいいと評価していただくと同時に、だめなものは徹底的にダメだと、これを見極めていただく。そのためにはマスコミの方にも頑張っていただかなければならないのかなと、現場にいてそんなふうに思います。ただ、そういう思いがなかなか伝わらない。伝わった場合には非常に外圧がかかって伝わっているなというのをつくづく感じます。

宮嵜:大変盛り上がってきたところで恐縮ですが、約束の時間がまいりましたので、本日のフォーラムを終わりにさせていただきたいと思います。
講師の先生方、本日はどうもありがとうございました。

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